【金沢】雨でも美しいひがし茶屋街・水引ランプ・湯涌温泉の幻想的な光を巡る女子旅

こんにちは、ピスチコ(pis_chiko)です。

金沢は私がずっと行きたかった場所です。

コロナに地震にといろいろありましたが、ようやく念願叶い旅に出ました。

絶望のタイムアタックの先に。コンビニすらない山奥で出会った、一番優しい奇跡

そもそもなぜ、今回の旅で「最初の夜に湯涌温泉へ行く」という、なかなかにハードなスケジュールを組んだのか。

実は今回の金沢旅、我が家が誇る「アニメ聖地巡礼ガチ勢」の同伴者(※プライバシー保護のため、以下『敏腕プロデューサー』と呼びます)の強い希望から始まった計画でした。

彼女の目的は、夜の湯涌温泉に灯る「ぼんぼり」。ですが、今回の私たちの宿泊地は金沢駅の近く。

 

湯涌温泉へは、夜のライトアップを見るためだけに往復するという強行軍です。

しかも、旅のスタートから手加減なしの試練が始まります。空港から金沢駅に向かうバスが、なんと予定より30分ほどタイムラグ(遅延)が発生!

ホテルや駅のロッカーに荷物を預ける暇なんて1秒もあるわけがなく、金沢駅発【15時03分】の湯涌温泉行きバスに向かって、巨大なスーツケースを抱えたまま駅前を大激走するハメに。

 

「これを逃したら、今日中にバスで湯涌温泉へ行くルートが消滅する」という、人生初の限界タイムアタックです。

息も絶え絶え、なんとか15時03分ジャストにバスの入り口へ滑り込んだ私たち。ですが、この時ばかりは二人とも焦りで余裕を完全に失っていました。

息を切らした敏腕プロデューサーが、バスの運転手さんに向かって、大真面目な顔でこう問いかけます。

 

「あの、このバス、ゆおけおんせん行きますか!?」

実は私も大真面目に「ゆおけおんせん(湯桶?)」だと思い込んでいたので、彼女の言葉に心の中で深く頷いていました。

すると、すべてを察した運転手さんが、フッと優しく微笑んで一言。「……ゆわくおんせんね?行くよ」

 

驚くほど冷静に、正しい読み方を教えてくれました。

「ゆ、ゆわく……!?」

バスに乗り込み、二人でこっそり「ゆわくだって……!」と顔を見合わせて赤面したのは、今となっては懐かしい旅のプロローグです。

 

そうしてバスに揺られること約50分。たどり着いた夕暮れの湯涌温泉は、驚くほど静かな山の中でした。

昭和にタイムスリップしたような、不思議な気分。

ここ、本当に周囲に何もなく、コンビニすら1軒もありません。

 

あるのは自動販売機と美しい公衆トイレと、山の静けさだけ。

夜の温泉街に、ぽつんと取り残されたような不思議な感覚でした。

しかも、帰りのバスは【19時45分】が最終。現地に滞在できる時間は、ほんのわずかしかありません。

 

「絶対に19時45分に遅れるわけにはいかない」という、さらなるハラハラ感のなか、プロデューサーの目がキラキラと輝き出したその時。私は、これまでに見たどんなイルミネーションよりも幻想的で、温かい景色に出会ったのです。湯涌町 湯涌神社鳥居
暗闇を引き裂くように、ぽつりと浮かび上がる真っ赤な鳥居。 shadow(影)とコントラストの中に、参道を優しく、どこまでも静かに照らすぼんぼりの灯り。

「何もない」と思っていた山奥の暗闇だからこそ、そのひとつひとつの光が、まるで呼吸をしているかのように温かく、神聖に輝いていました。

言葉を失うほどの圧倒的な光の階段を上まで登るとこの鳥居があります。
湯涌温泉 ぼんぼり祭り
夜空に向かってどこまでも続いていくような、無数の温かい光の帯。

ひとつひとつのぼんぼりをじっと見つめていると、そこにはある共通のメッセージが書かれています。

それは、「能登への復興の祈り」。 湯涌温泉 ぼんぼり祭りコンビニもない。帰りのバスの時間は19時45分。

そんな限界状況のなかで見たあの光には、被災した地域や人々を想う、地元の方々や全国のアニメファンの優しさと、強い絆がぎゅっと詰まっていました。

ドタバタの移動や読み方の勘違い、そしてタイムリミットの焦り。

 

そんな慌ただしさのなかで見たぼんぼりの灯りには、どこか冷え切った心をそっと包み込んでくれるような温かさがありました。

プロデューサーの熱意に引っ張られてやってきたけれど、この景色に出会えて本当によかった。金沢の優しさを五感で受け取った、最高の最初の夜でした。

2日目は「最強のパス」を相棒に。雨の金沢を身軽に巡る

慌ただしく過ぎた1日目は温泉で終わりました。

駅前のアパホテルに宿泊、ちょうどよいぬるめのお湯で久しぶりにゆっくり湯船に浸かり、旅先では寝付けないこともあるけど、温泉の癒しパワーで泥のように眠りました。

わかってはいたけれど2日目は容赦なく大雨です。

 

金沢は雨が多い地域なので、「弁当忘れても傘忘れるな」は有名な言葉、できたら両方お忘れなく。

アパホテルで借りた透明オレンジの傘が大きくて頼もしく、バス移動で金沢観光を思いっきり楽しむつもりで強気に1日乗車券を購入。

歩くのが嫌になるくらいの雨、傘をさしても完全に防げない横殴りの雨。

金沢バス1日乗車券とパンフレット金沢市内の主要なバスが1日中乗り放題になる「金沢市内1日フリー乗車券」です。

大人800円で手に入る、まさに旅人のための心強い切符。

「雨を言い訳にせず、この街を思いきり楽しもう」
無敵のパスを片手に、私たちは心地よい高揚感とともに大雨の街へと一歩を踏み出しました。

 雨のなかの長い道のり。民家に息づく200色の「伝統の光」

2日目の最初の目的地は、金沢の伝統工芸がモダンに生まれ変わった空間、「自遊花人水引ミュージアム」です。

最寄りのバス停を降りたものの、目的のミュージアムまでは激しい雨のなか、歩いても歩いてもなかなかたどり着かない長旅でした。

「本当にこの道で合っているのかな……」と少し不安になりながら進んだ先に、ひっそりと佇んでいたのは、情緒ある民家を美しく改装した隠れ家のような建物。

 

一歩、その部屋に足を踏み入れた瞬間、雨の中を歩き続けた疲れが、一瞬で吹き飛んでしまいました。

自遊花人水引ミュージアムのメイン

見上げれば、天井を埋め尽くす色とりどりのランプシェード。そして視線を落とせば、ピカピカに磨き上げられた漆黒のテーブルに、その光がまるで万華鏡のようにくっきりと映り込んでいたのです。

実際に行くとスマホで撮影させてくれます、本格的なカメラよりスマホがおすすめとのことでした。

驚くべきことに、この繊細なランプはすべて「水引」を編んで作られたもの。その色の数は、なんと200色。

 

職人さんたちが一本一本、願いを込めて結んだ水引の隙間から漏れる優しい光を見つめていると、金沢という街が持つ「伝統の強さ」が、じんわりと心に染み渡っていくのを感じました。

ショップに並ぶ水引細工のピアスがあまりにも素敵で、鏡の前で付けては外し、悩んで、悩んで、結局今回は購入を見送ることに。

あの揺れる時間も含めて、女子旅ならではの贅沢なひとときです。

頑張って歩いたご褒美。器から溢れる、金沢の海の恵み

ミュージアムを後にして、再びバスに乗り込み、次に向かったのはひがし茶屋街。

金沢に来たら絶対に食べたいと決めていた、美味しいと評判の海鮮丼専門店「澤ノ屋」さんへ。

路地を曲がると、風情ある木格子の引き戸に、目を引く暖簾を発見しました。

海鮮丼専門店「澤ノ屋」外観大きく「丼」と書かれた暖簾をくぐり、店内で注文して運ばれてきたのが、思わず拝みたくなるほど神々しいこちらの一杯です。

豪華な海鮮丼器を覆い尽くす、豪華な「海鮮丼」。

大ぶりのぷりっぷりなエビを中心に、きらきらと輝くイクラ、濃厚でとろけるウニ、そして新鮮な地魚の数々。どこから箸をつけていいか迷ってしまうほどのボリュームです。

ひとくち食べれば、お魚の甘みと旨味が口いっぱいに広がって、午前中の雨の疲れなんて一瞬で吹き飛んでしまいました。

 

これぞ「食の宝庫・金沢」の洗礼。

北海道とは違うお魚の風味、濃厚な美味しさでした。

お腹も心も最高のコンディションで、いよいよ本格的な茶屋街の散策へと繰出します。

「弁当忘れても傘忘れるな」を体感。大雨のひがし茶屋街と路地裏の秘密基地

お店を出ると、雨はさらに勢いを増し、前が見えなくなるほどの激しい大雨になりました。

服も靴もすっかり濡れてしまい、正直心が折れそうになっていましたが、逃げ込むように訪れた「ひがし茶屋街」は、驚くほどロマンチックでした。

ぜひこの背景で着物での写真撮影を夢見てきましたが、この雨ではお店も閉まっていました。

金沢、ひがし茶屋街

激しい雨に打たれて、鏡のように艶やかに光る石畳。

美しい出格子の古い街並みが雨に煙る様子は、晴れの日には絶対に味わえない、息をのむほどの情緒と静けさを醸し出していました。

とはいえ、本当に体が冷えて限界を迎えそうになったその時。路地裏にそっと掲げられた一枚の暖簾が、暗闇の中に優しく浮かび上がっていました。プロデューサーが見つけてくれた「大正浪漫喫茶 金魚庵」です。

大正浪漫喫茶 金魚庵の外観

格子の引き戸を開けると、そこは蓄音機の音が流れる別世界。ここで雨宿りをしながら注文したのが、お店の名物メニューでした。

大正浪漫喫茶 金魚庵「ハイカラポンチ」

これが目的で来たんです「ハイカラポンチ」。

フリルのついたガラスの器の中で、カラフルなゼリー玉がキラキラと光を反射して、まるで小さな金魚鉢を覗き込んでいるかのよう。奥にあるちょっぴり固めでほろ苦いカラメルが効いた「自家製プリン」も、どこか懐かしくて絶品でした。

外を叩きつける激しい雨の音を贅沢なBGMに変えながら、温かい光に満ちたレトロな空間で過ごす時間は、まさに至福のひととき。大雨だったからこそ出会えた、宝物のような時間でした。

時間が止まったかのような緑の静寂。「兼六園」で雨を聴く

兼六園内お休み処

散策の途中で見つけた、日本最古の茶室「夕顔亭」のそばに佇む茅葺き屋根の美しいお休み処 。

兼六園内お休み処

屋根一面を覆うみずみずしい苔の緑と、軒先に下げられた風鈴が、なんとも言えない日本の情緒を醸し出しています。

雨の兼六園はちょっと残念で、「緑ヶ丘公園の池みたい」なんていいながら。

雨の日は他のところを優先した方が良いと思った兼六園でした。

兼六園の大きな池

トムとジェリーとの出会い「金沢21世紀美術館」で五感を開放する

雨の日でも楽しめる工夫がたくさんある、素晴らしい美術館。

金沢市民の方に嫉妬するくらいのかなりのクオリティ。

そして「トムとジェリー展」の最終日にぶつかりました、行くしかないでしょう。

「金沢21世紀美術館」

雨で結局思うようにいろいろできず。

有名な「スイミング・プール」の地下部に入るには予約が必要。

私たちが行ったのはもう遅い時間だったので、この日の分は終了。

 

ガチでという方はWEB予約をおすすめします。

本当に素晴らしい美術館。期間限定でいろいろ移り変わっていくようなのでゆっくりと過ごせたら…しばらく通いつめてみたい。

金沢市民になりたい。

 

2024年の能登半島地震で一時的に大きな被害を受けたこの美術館ですが、現在は全面再開を果たし、たくさんの旅行者の笑顔で溢れています。

傷ついてもなお、新しく力強いアートを発信し続ける姿に、街の持つ底知れない「強さ」を感じずにはいられませんでした。

トムとジェリー展の撮影OKゾーン

旅の終わりに:金沢がおしえてくれたこと

湯涌温泉のぼんぼり点灯中やっぱり旅行は晴れの日がいいに決まってる。

だけど何か月も前から予定を組んでるわけだし、こればかりは難しい。

よく、金沢は「雨でも楽しめる」と主張する記事を見ますが、行ってみてやっぱり晴れてくれたら最高だと思いました。

 

雨の日は欲張らないで「金沢21世紀美術館」をメインに楽しんだら良いと思います。

私たちのように北海道から行く場合、自然の癒しよりもアートに惹かれた部分が強かったように思います。

憧れの金沢は、想像以上に優しくて、そして力強い街でした。

 

旅を終えた今も、私のまぶたの裏には、あの鼓門の雄大さ、雨に濡れたひがし茶屋街の情緒、金魚庵でのゼリーのきらめき、200色の水引の輝き 、そして復興への祈りを込めたぼんぼりの灯りが鮮明に残っています。

正直、ほとんど雨に降られっぱなしの過酷な移動で、体力的にはとても大変な旅でした。

でも、ずっと激しい雨の中にいたからこそ、金沢の街がそっと差し出してくれる「光」の温もりや、ひっそり佇むお休み処の優しさが、信じられないほど深く心に染み渡ったのです。

 

私たちがこの街を訪れ、美しい景色に感動し、そのストーリーを忘れないこと。それ自体が、小さな、でも確かな復興への応援になるのかもしれません。

「最近ちょっと心が疲れているな」「温かいエネルギーに触れたいな」と感じている方は、ぜひ次の旅先に金沢を選んでみてください。

たとえお天気が雨だったとしても、あなたをそっと救ってくれる優しい光が、きっとそこで待っているはず。

 

写真が多すぎてブログには載せきれなかったので、ひがし茶屋街の隠れた路地裏、水引ランプの別アングルなど、エモーショナルな写真をたっぷり詰め込んだアルバムを作りました。

一緒に金沢の街を旅しているような感覚を味わっていただけたら幸いです。

ピスチコ
石川県金沢市にある湯涌温泉はアニメ『花咲くいろは』の聖地です。

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