こんにちは、ピスチコ(pis_chiko)です。
そういえば私、音楽学校を受験して、一度はそちらの道に進んだわけですが…
人生いろいろ、時代もいろいろ、今はたして何が正解かわからなくなりました。
好きを極めたもん勝ち
今となっては、音楽学校をでることがプロになる近道とは思えない。
独学で楽器を演奏する人のなんとまぁうまいこと、そしてそれが簡単にYouTubeで見れちゃうこと。
彼らが演奏している曲が子供が喜ぶようなジャンルであること、クラシックは素晴らしいけど、いきなりだと難しいかもしれない。
ブラインドタッチは文章をガンガン打ち込んでいれば無理なくいつのまにか身につくのと一緒で、ピアノの鍵盤上で指が行くべきところや弦楽器で指が行くべきところは自然と身体が覚える。
例えばピアノが本当にめちゃくちゃ好きなら、練習はさほど辛くないはず。
練習って本当につまんない、したくないしサボりたいでしょ普通。
それ以外にも正統派の道を行くならソルフェージュもやらなきゃならない。
受験にも必須項目、学校によって差はあるとしても聴音はあるていどできないと厳しい。
聴音、その名の通り音を聴いて楽譜にすることね。
Wikipediaではソルフェージュを「楽譜を読むことを中心とした基礎訓練」と言ってる。
訓練なんて言われると一気に醒めるけど、小さい頃から弦楽器を弾いていれば実は聴音は得意になるしかなかった。
そんなわけで高校時代、ソルフェージュのクラスはAクラスに在籍。
よく「基礎ができていないと」とクラシックを学ぶ理由を説明されるけど、それよりも好きで弾いてる人は尊い。
確かに基礎は学んで損することはないけど、つまんないのでここがかなりの挫折ポイントになる。
むいていなかったとやめる人はきっと、それほどそれが好きじゃなかったんだと思う。
「歌のテストがあるんだ」
中2女子が音楽で歌のテストがあるとぼやいていた。
「何歌うの?」
「花」
「花?ミスチル?」
「えー違うよ、なんだっけ名前…」
「出だしどんな?」
「春のうら~ら~の」
その「花」かい!
滝廉太郎作曲、名曲。
難しいやつじゃん、知らない曲を合唱で流されたら。メインパート迷子になりそう。
なんでも音楽の授業では美しいハモリのCDを聞かされて、いきなり先生が「はい、歌って~!」となる。
「無理でーす!」とほとんどの子が沈黙の中、それでも歌える子がいるらしい。
それこそ基礎訓練ができている人たち、例えばピアノを習っている子とか、吹奏楽部で音楽にプライベートでも熱入ってる子とか。
先生も、もちろん歌ってお手本見せてくれるみたいだけど、「花」を音楽の授業で初めて聞く子がいてもおかしくない時代です。
スパルタすぎない?初見(楽譜一度見ただけで弾くこと)で弾けって言われているみたい。
それでそれで?
「歌のテストはみんなの前で歌わされるの?」
「いや1人ずつ隣の部屋でやる、コロナ的にもあれだし。」
「でも小学校の時はみんなの前で歌わされたよ。」
明治時代、隅田川の美しさに感銘を受けて生まれたという「花」
令和になっても歌のテストで使われる素晴らしき素材。
昔の曲は正確に歌うのが難しい、特に「花」難関、がんばれ中学2年生。
時代とともに変わっていくこと
音楽の授業は全くアップデートされていない事実にびっくりだ、楽器の基礎が今でもクラシックであるように、変わらない大切さがある。
コロナ禍で、YouTubeの充実ぶりはすさまじく、素晴らしい演奏に家にいながらたくさん会えた。
ホールに集まることができなくなり演奏することができなくなったプロの方々、クラシック発祥の地である海外の方が、なんだか深刻そう。
子供たちはアニメの主題歌や、今をときめくシンガーソングライターの曲を好む。
意識して生きていないと、日本人はなかなかクラシック音楽にふれることはできない。
「いきなり難しい曲やってもダメよ、基礎からきちんとやらないと。」
わかっているんだけど、ネット上のめちゃめちゃうまい人たちがすべて正統派の考え方だとは思えない。
即興であんなに弾けて、見ている人を惹きつけられたらもう十分音楽家じゃない?
鬼滅の主題歌をあんなに素晴らしく弾けるなら、バッハの平均律だってきっと弾きこなすに違いない。
きっと生まれつき弾けるんじゃない?神様からもらった能力の中にたまに激レアなやつもあるんじゃない?違う?
生まれつきどんな楽器でも弾きこなすとか、頭の中に翻訳機能があるとか、何がきてもびっくりしないよ。
どんなに練習してもうまく弾けないところがあったり、指がとどかなくて弾けない曲があったり、そんな凡人の私には、楽しそうに演奏するあの人たちは魔法使いみたいに見える。
私のviolinはしずかちゃんよりマシよ。
だとしてもね、弦楽器は難しい。
そういえば小学校の時の保健室の先生、本当に優しくて大好きだったな。
毎日violinの練習が苦痛で、そんな子供の愚痴まで受け止めてくれる本当に優しい人だった。
「だけどね、大変かもしれないけど、人ができないことができるって素敵なことじゃない?」
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